お雑煮だけじゃない!おせちにもあった地域性

お餅の形が角餅だったり丸餅だったり、醤油ベースだったり味噌ベースだったり、地域によってお雑煮に違いがあることはよく知られていますよね。
おせちにもそのような地方性があるのをご存知でしょうか?

今回は地域によって異なるおせちの具材のことを紹介したいと思います。

まず、関東と関西の一番大きな違いと言われているのは「祝い肴三種」。

祝い肴三種とは、お正月には欠かせない代表的な三種類の料理のこと。
三種類の内、黒豆と数の子は共通していますが残る一つに大きな違いが。
関東はごまめ(田作り)であるのに対し、関西はたたきごぼうなんです。
他の地方のおせちを食べる機会はなかなか無いので、この違いを知らなかったという人も意外に多いのではないのでしょうか。
また、数の子やお煮しめの味付けも、関東は濃口醤油、関西は薄口醤油という違いがあると言われています。お蕎麦やうどんの出汁の違いと一緒ですね。

入っている「魚料理」にも地方によって違いがあります。

北海道ではやはり鮭を多用します。鮭の頭の軟骨部分を薄切りにし、大根や人参と共に酢の物にした「氷頭(ひず)なます」が有名です。
秋田県ではハタハタという魚を使ったお寿司が欠かせません。お寿司といっても通常のお寿司とは違い、塩漬けにしたハタハタとご飯と具材を混ぜ込み発酵させた「ハタハタ寿司」が伝統的な料理として親しまれています。
関西方面では鰤が主流。照り焼きや西京焼き、生姜煮など、さまざまな調理方法で供されているようです。

変わり種では石川県の「べろべろ」。
寒天に溶き卵を入れて固めた、箸休めに最適なお料理です。
変わった名前の由来は、散らした溶き卵の様子が亀のべっこうに似ていることなんだとか。

年齢や性別を問わず地元の話題は盛り上がりやすいもの。
今年の忘年会や新年会は、おせちの地域性を肴に飲んでみるのもいいかもしれません。

Text: 中野 晃子(ライター。飲食関連の記事を得意とする。趣味は飲み歩きと料理と散歩。)


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